自前の着物に袴を合わせることはできないかと考えている方は、多いのではないでしょうか。振袖に袴は、もちろんOKですが振袖以外の着物を合わせてもいいのでしょうか?
目次
袴の由来
明治中期に、教育家の下田歌子女史(実践女子学園創立者)が、スカート型の中に仕切りのない女袴(行燈袴)を考案しました。上流階級の子女が通う女学校の制服として広まったのが始まりです。
当時の女学校は、西洋の文化が取り入れられ、椅子と机があったようですが、着物では、裾の乱れが気になるため、袴着用が認められたのです。動きやすく、着物では乗れなかった自転車にも乗れたそうです。
明治、大正、昭和初期までは、制服として着用されていたのですが、第2次世界大戦後は、セーラー服などが制服として着用されるようになり、次第に袴を制服とする学校はなくなっていきました。
ところが、いつからか大学生や先生が、卒業式に袴姿で出席するようになりました。80年代半ば、もしくは90年頃からでしょうか?今は小学生までが、卒業式で袴を履くようになりました。
では、女学生の制服として着用されていた袴はどのような着物を合わせていたのでしょうか?
着物に決まりはない
どんな着物でも構いません。但し 見送る側の先生の場合は、この限りではありませんので注意が必要です。
袖の長さは決まっていない
振袖の袖は長いですが、振袖に合わせても問題ありません。中振袖、小振袖でもいいです。レンタルで借りた場合は、二尺袖と言われる小振袖より 少し短い袖丈の着物になります。
訪問着や付下げ、色無地、小紋と合わせてもいいです。袖の長さを気にする必要はありません。
個人的には 袖の長い着物より、訪問着、付下げなどの袖の短い着物の方が着物と袴のバランスがいいと思っています。
着物の格も気にする必要はない
礼装、略礼装である振袖や訪問着、色無地のほか、外出着として着られる付下げや小紋と合わせてもいいですし、喪服と合わせても問題ありません。
華やかにしたいのであれば、振袖は比較的柄も派手で華やかですし、金糸や銀糸が散りばめているので豪華に見えます。
レンタルで借りた場合は、素材がほとんどポリエステルなので、手持ちの振袖とあわせるととても豪華で華やかです。
あまり派手にしたくなければ、色無地や小紋の地味な柄にするのもいいでしょう。但し小紋の場合柄によっては普段着のような感じになってしまう場合もあります。
振袖以外の着物なら袖も短いので動きやすいという利点はあります。
黒紋付と合わせても問題ない
黒紋付といえばお葬式に着る喪服のイメージがありますが、お葬式に着るだけではありません。お琴や尺八、弓道などの習い事では、黒紋付の上に袴を履きます。
宝塚音楽学校の卒業式は、黒の紋付に緑の袴なのをご存知ですか?とても凛としてかっこいいですね。
レンタルの場合は小振袖
レンタル袴の着物は2尺袖で、袴をはいた場合の袖の長さのバランスはとてもいいと思います。見た目もそうですが、動きやすいといった点でもいいと思います。
着付けをする時の注意点
振袖や訪問着などの着物を着る時と違い、上から袴を履く時は おはしょりをたくさんとって着物を短めに着なくてはいけません。 特にブーツの場合、袴の丈も短めなので、袴からはみ出ないよう着物を短めに着ます。
着丈が長い着物は、かなり多めにおはしょりをとらなければならない為、お腹回りでだぶついてしまいがちなので、着物の着丈にも注意が必要です。
持っている着物に袴、半幅帯、半襟、重ね衿で雰囲気を変える
半襟、重ね衿で雰囲気を変える
持っている着物が地味な柄であれば、派手めの色の袴を合わせたり、半幅帯や重ね衿を派手めにしてアクセントをつけてみましょう。 色無地の着物や柄のあまりない着物なら派手めの柄の半襟や半幅帯を合わせるのも面白いですね。
半幅帯をアクセントにして着物と袴の雰囲気を変える
着物と袴の間にチラッと見える半幅帯の色がアクセントになり雰囲気を変えてくれます。着物と袴がはっきりしないなら半幅帯を派手にするのもいいですし 着物と袴とは全く違う色を持ってくることで全体がはっきりします。
まとめ
袴は、どのような着物の上に履いてもいいので、手持ちの着物をどのようにコーディネートするかはあなた次第です。
自分の手持ちの着物に合わせるなら、着付にチャレンジしてみるのもいいと思います。浴衣の半幅帯が結べるなら、少し練習すれば袴の着付もできます。
手持ちの着物を箪笥の肥やしにすることなくいろいろ着こなしていただきたいと思います。