3月の卒業式は、まだ肌寒い日が多く、着物と袴だけでは、寒いと感じる日も多いです。卒業式当日、着物の上に羽織れる上着が必要と考える人も多いと思いますが、袴姿の場合、どんな上着を羽織るのでしょうか?和服のコートやストールってあるのでしょうか?袴に合う上着について案内いたします。
目次
着物用コート、ストールの種類
着物用のコートやストールがあります。どのような種類があるのでしょうか
羽織(はおり)
上の写真の上着が羽織です。羽織の特徴は、前の襟を折って着ます。真ん中辺りに羽織紐がついています。紐を結んで着ます。袴に一番合うのは羽織です。
羽織は、男性の羽織ものとして着られていましたが、江戸時代に暖かい、着やすいなどの理由から女性が着るようになり、呉服屋さんが、こぞって女性用の羽織を売るようになったのがはじまりと言われています。
元々、袴も、男性が履いていた衣裳で、男性の第一礼装は紋付羽織袴とされ、羽織は袴に合うデザインなのです。しかし、女性の場合は、第一礼装である、振袖、訪問着、留袖には、羽織は合わせず、小紋の着物などに合わせて、準礼装として着ます。袴は、第一礼装ではないので、女性の袴に羽織を合わせても問題ありません。
羽織には、長羽織と中羽織があります。羽織の丈が膝より上の短い丈の羽織を中羽織。膝より下くらいの長さなら長羽織といいます。最近は丈の長い羽織が多くなっています。
羽織は、コートではないので部屋の中での着用が可能です。
道行(みちゆき)
道行(みちゆき)は、襟もとが四角くなっているのが特徴です。女性用の和装コートです。着物の上に着ますが、本来袴ではなく、着物にあうように作られた道行は、まっすぐなデザインの為、裾の広がった袴に合わすのであれば羽織ほどしっくりこない場合があります。
但し道行の大きさや長さなどによっても違ってきますので、手持ちの道行があるのであれば、一度道行と合わせてみてください。上から、ショールなどを巻くと雰囲気が変わります。
最近の道行は、丈が長めのものが多いですね。
道行は、無地や無地に近い柄であれば、フォーマルな場所に着ていくことができるコートです。但しコートですから、室内に入ったときは、脱ぐようにしましょう。
和装ショール、ストール
着物は首回りが開いているため、首回りに巻くショールやストールがあれば、暖かいですね。3月は、真冬ではないのですが、とても寒いようなら振袖の時に使ったファーのストールもいいと思います。着物にしか合わないストールやショールもありますが、着物にも洋服にも合うようなものも多いので、1枚あれば便利ですね。
道中着、和装コート、和装ポンチョなど
道中着は、道行と似ていますが、襟もとが着物の襟もとと同じような感じです。和装コートや和装ポンチョは、洋装のコートやポンチョに比べると和服に合うようなデザインになっています。
持っているもので代用もOK
卒業式の袴に合わせる上着は、これでなくてはいけないという決まりがある訳ではないので、わざわざ買う必要はないと思います。
母や祖母の和装コートやショールを借りる
お母様、お婆様世代なら羽織や道行、和装ショールを持っている人は結構います。特にお婆様世代の人は、持っている人は多いです。一度借りれるか聞いてのもいいでしょう。
以外ですが、結構今の時代でも着れるお洒落な上着を持っている方多いですよ。
和装の上着がない場合
手持ちの洋服のポンチョやショール、大判ストールを巻いて上着替わりにすればいいと思います。
ポンチョやストールは袖を通さないので、着物の袖を心配する必要がありません。
購入する場合も、今後着る機会のない和装用の上着やショールを購入するより、洋服用のショールやストール、ポンチョなどを購入した方が、後に着る機会は多いと思います。
注意点
袴と上着のコーディネート
袴は、着物と違い裾が広がっているので、羽織以外の上着は、合わない場合があります。
着物に合うような色、柄の大判のストールなどを巻く方が合わせやすいと思います。
袖の長さに注意
レンタル袴の着物は2寸袖の為、一般的な羽織や道行の袂の袖の長さとは違ってきます。着物の袖の方が長い場合は袖を折って、羽織の中に入れればOKです。
振袖のようにかなり長い袖の場合も同じですが、袖を折って入れてみてあまりにも袂がごわついてしまう場合は羽織や道行の着用は諦めた方がいいでしょう。
袖の長さを考えなくてもいいのは、袖を通す必要のないストールやポンチョです。手持ちのストールやポンチョと合わせてみて下さい。
まとめ
3月下旬ごろの気温は、暖かい日もありますが、まだまだ寒い日もあるので、その日の気温によって、上着が必要だったり、不要だったりします。わざわざ購入しても必要ない場合もあるかもしれません。
手持ちの着物やストールでの代用で十分だと思います。家族の着物や普段使いのポンチョやストール探してみてください。
もし購入するのであれば、今後使い道のある洋服でも着用できるストールやポンチョがお勧めです。
関連記事
●袴に合わせる着物の種類 振袖、訪問着、黒紋付 どんな着物ならいいの?